高瀬舟

この本について ▼
発行 1916年(大正5年)「中央公論」発表。森鴎外54歳の作品。
作者 森鴎外(もり おうがい)は1862年〜1922年に生きた小説家・陸軍軍医。島根県出身。「舞姫」「高瀬舟」「山椒大夫」など多くの名作を書いた。夏目漱石と並ぶ明治の文豪と呼ばれる。
この章の要約▼
「高瀬舟」とは、江戸時代に刑罰を受けた者を遠島へ護送した川舟のこと。罪人は前夜に親族と別れ、翌朝護送役の同心に引き渡された。この護送役は気が重い仕事とされていたが、夜を共にした罪人と打ち解けた話が多く残っている。
どんなところに注目して読んだらよいか
高瀬舟という制度はどんな役割を持っていたか。護送役の同心たちはどんな気持ちでこの仕事をしていたのか、まず背景を整理しよう。
読み込み中…
この章の要約▼
ある夜、同心・羽田庄兵衛が護送したのは「喜助」という男だった。流刑という重い罰なのに、喜助は不思議に穏やかな表情をしていた。荷物の中には一分銀が一枚あり、その少なさにも喜助は満足しているようだった。
どんなところに注目して読んだらよいか
喜助はなぜ流刑なのに穏やかでいられるのか。わずかな一分銀にも満足しているのはなぜか、考えながら読もう。
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この章の要約▼
庄兵衛はこらえきれず喜助に声をかけた。喜助は「今まで一度も持ったことのない一分銀を持てた。流刑地でも喰わせてもらえる」と語った。自分はいつも何かが足りないと感じているのに、なぜこの人は満ち足りているのか。庄兵衛は深く考えた。
どんなところに注目して読んだらよいか
喜助の「足るを知る」という心のあり方をどう感じるか。自分の日常と比べてみると、どんなことに気づく?
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この章の要約▼
庄兵衛が「なぜ弟を殺したのか」と聞くと、喜助は語った。貧しく長患いで死を望んでいた弟が剃刀で試みて失敗し、苦しんでいた。喜助はその剃刀を引き抜いてやった——それが罪になった。庄兵衛はこの行為が「殺したこと」なのか「楽にしてやったこと」なのか、答えが出ないまま舟は大阪へ着いた。
どんなところに注目して読んだらよいか
喜助の行為は「罪」だと思うか。苦しんでいる人を楽にしてやりたいという気持ちと、命を奪ってはいけないという思いはどちらが大切か、自分の考えを書いてみよう。
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